派遣の先生インタビュー
ひなこ先生
派遣保育士:6年目
岐阜県岐阜市 保育園勤務
#新婚での最適な働き方
#派遣で芽生えた葛藤
#保育は学びの宝庫
これまでと今の働き方を教えてください
大学で保育士資格を取得して、新卒から約3年間、正職員の保育士として保育園に勤務していました。現在は、岐阜市の保育園で派遣保育士として、0、1歳児クラスを中心にフリー担当として働かせてもらっています。
勤務時間は11時〜19時、平日の週5勤務です。
最初の夢は、子育て支援員さん
わたしが保育士を目指すきっかけになったのは、中学校での職業体験です。ただ、初めは、“子育て支援員さん”になりたいと思っていました。
というのも、職業体験の場所が、保育園ではなく市の子育て支援センターだったんです。
※子育て支援センター
乳幼児と子育て中の親が交流を深め、子育ての不安や悩みを相談できる場所
そこでは、可愛い子どもたちと関わる時間も楽しかったんですけど、子育て支援員さんがお母さん方のお悩み支援をされている姿にすっごく感動したんです。
子育ての色んなお悩みを親身に聞いたり、適確なアドバイスをしたり、時には一緒に悩んだり。
「子どもだけではなく、お母さんの支えにもなれる素敵な仕事なんだ!」と支援員さんへの憧れが強くなりましたね。
ただ、子育てや保育知識のない自分が、保護者さん達の相談に乗ることができるかな……と、葛藤もありました。そのため、保育士資格が取れる大学に進学。まずは、子どもとの関わり方を現場で学びたいと思って、保育園で保育士としてのキャリアをスタートしました。
先輩に支えられた新卒時代
子育て支援員になることが夢だった私。でも、新卒から今まで保育園で働かせてもらうなかで、保育士としての魅力ややりがいを大きく感じるうちに、この仕事にすっかり魅了されました。
今では、「きっとわたしは、保育の仕事じゃないとやりがいを感じられないんじゃないか」と思うほど、自分に合う仕事に出会えたと思っています。
でも、実はそう思えるようになったのは最近で。
振り返ると、1年目はまったく仕事ができていなかったと思います(苦笑)。力不足を感じて、正直、辞めたいと思う日もありましたね。
わたしは、「子どもの気持ちをすべて受け止めてあげたい!」「子どもを否定してはいけない」という保育観がありました。本来、私が叱らないといけない部分を先輩がフォローしてくれていて、私がいいとこどりをしちゃっていたんですよね。
寄り添ってあげたい気持ちが強くて、“本当の意味での子どもの成長に繋がる指導”ができていなかったなと反省しています。
そんな私を先輩方がたくさん助けてくれて、教えてくれて。
経験を重ねた今だからこそ有難みに気づくことができて「もう~ほんっとに、あのときはすみませんでした!ありがとうございます!」って感謝しかないですね。
新婚にとって最適な働き方
結婚、引越のタイミングでこれからのキャリアについて考えはじめた4年目。
正職員として働くことも考えたんですけど、私は保育が好きだから、グッと没頭してしまうタイプ。要領もそんなに良くないので、残業して書類を書いたり、休みの日も製作したり、次の行事の準備をしたり。
新しい家庭を築いていくにあたって、今の働き方では難しいのではと悩んでいたんです。
そんな時に、ベルサンテさんに問い合わせをすると担当のkunimitsuさんがひとつ一つわたしの悩みを聞いて相談にのってくれました。
家庭と両立できる働き方や環境の提案、産育休も取得できる、夫の転勤に伴う引越があってもサポートをしてもらえる。これなら、これからの私にピッタリだし、ライフステージが変わっても大好きな保育の仕事に関わっていける!と思って派遣保育士として働き始めることにしました。
実際に派遣で働いてみての感想は?
正直なところ、派遣保育士として慣れるまでに半年間くらいかかりました。
固定勤務時間や残業なし、書類なしの働き方の面に関してはすぐに魅力を実感できたんです。ただ、役割や仕事内容の点で少し難しさを感じて……。
保育士になりたての頃から「自分が先頭に立って引っ張っていきたい!」という想いがあったので、肩書きが変わることによって「どこまでわたしが関わっていいか、意見をしていいのか」と戸惑いがあって。
でも徐々に派遣保育士としての立場や役割が分かってきて、子どもにとっては正職員も派遣も同じ。子どもへの思いの強さは変えずに、「次は正職員を支援する立場で頑張ろう!」と気持ちを切り替えていきました。
新しい保育のやりがいを知る
マインドを切り替えるにあたって、夫や家族、担当のkunimitsuさんにたくさん話を聞いてもらいました。
職場の先生方もすごく親切で、今妊娠中の私を気遣って仕事内容を変えてもらったり、「お腹大丈夫?」って心配してくださったり。
結局、自分自身が勝手に見えない壁を作っていたのかもしれません。
私が正職員時代にサポートしてもらって嬉しかったことを思いだして、今度は私が実践してみたときに「ひなこ先生、準備してくれていたんだ!助かる~」とか
「ひなこ先生は気がきくね~」と言ってもらえるとめっちゃ嬉しいんですよね。
そういう瞬間に、「あ!この嬉しい感覚ってあんまり正職員のときにはなかったな」って思うんですよね。やりがいの幅が広がったことで、また一つ新しい保育士の魅力を知ることができました。
仕事で心がけていることは?
他の先生方の保育に対する価値観を尊重することと、心配りを大切にしています。
改めて担任の先生をサポートする立場で働いてみて、皆いろんな保育観、子どもへの接し方、クラス運営法があるんだなと知りました。
この間も、私だったら手を差し伸べてしまいそうなシーンで、担任の先生は「このクラスの子どもなら自分でここまでできる!」と信じて、やらせてあげていたんです。
そしたらホントにできたんですよ!
なるほど!こういう促し方もあるんだとすごく勉強になって、このポジションだからこそ学べる視点が持てるのは有難いなって感じました。
これからも自分の保育観を大切にするのと同じように、すべての先生達の考えも大切にしていきたいですね。
「やっぱり、保育っていいな」と思う瞬間は?
子どもの成長の瞬間に立ち会えることですね。
今でも忘れられない瞬間は、わたしが3年目で1歳児クラスの担当をしていたとき。早生まれの男の子に、ひとり歩きができるよう毎日のように手を添えながら、一緒に歩く練習をしていました。
ある晴れた日、ふとした瞬間に園庭にいたその子を見ると、すっと立ち上がって1歩を踏み出していたんです!
「ひとりで歩いてるー!」と、感動して泣いてしまって。
昨日できなかったことが、今日はできるようになっている。子ども達の成長の過程を見れることがとっても嬉しいですし、その感動を職場の先生方と共有して盛り上がることも最高の楽しみでもあります。
保育士でしか味わえないこの幸せを、たくさん見続けられるように頑張っていきたいと思います。
大切にしている言葉
「全てに意味がある」
何かに取り組んでみて、うまくいったことは自分の経験になる。失敗してしまったことからは、学びとれるものがあると思っています。
挫折した経験があるからこそ周りの人に共感できたり、あの経験を乗り越えたから次も頑張れたりする。
保育士の仕事をしていると、壁にぶつかることもたくさんあります。ただ、そのときの葛藤や苦しかった経験が、ときにはわたし自身を励ましてくれることも。それが分かっているから、「今日も仕事を頑張ろう!」と思いますね。
【編集後記 from interviewerより】
子どもたちに向ける優しい目と、包み込むような笑顔が印象的なひなこ先生に、我々取材陣もとても癒されました。
子育て支援員から保育士への夢を広げ、引っ越しや正職員から派遣への変化を経て、保育士として色んな経験を重ねてきましたね。
どんな時も子どもたちへの愛情を忘れず、仕事に真剣に向き合うひなこ先生だからこそ、自然と周りの先生や子どもたちからも慕われるのだと思います。
撮影時も、気づけばひなこ先生の周りには子どもたちがいっぱい!安全に注意しながら隙間を縫って撮影させていただきました(笑)。
これからはママになるという、ひなこ先生の人生にとって新しいステージが待っていますね。
ひなこ先生がさらにパワーアップして、保育の現場に戻ってこられる日を子どもたちや先生方も心待ちにしています。
復帰に向けて万全の体制でフォローしますので、産育休期間中は安心して子育てに専念してくださいね。
ひなこ先生のこれからの歩みや成長を、私たちもずっと応援しています!
from 保育コンシェルジュnoma
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インタビュー・構成 ・文 : 野間直樹
文 : Roko
写真 :石原結香
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