派遣の先生インタビュー
やすよ先生
派遣保育士歴:2年目
滋賀県大津市 こども園勤務
#他業種から保育復帰
#妥協なき転職活動
#余裕をもって保育できる
これまでと今の働き方について教えてください
短期大学で保育士資格を取得して、新卒から10年間、滋賀県の私立保育園で勤務しました。
その後はアジアン雑貨店、工場、通販テレアポなど、いろんな職種を経験。今は派遣保育士として保育復帰。理想の働き方と環境に出会えました。
月~金のフルタイムで2歳児クラスを担当しています。
保育士を目指したきっかけは?
私の一番古い記憶を辿ると、小学校の作文の時に「保育園の先生になりたい」と書いたことが最初の動機だった気がします。
でも何でそう書いたか全く覚えていないんですけどね(笑)。
それくらい当時は、確信めいたものではなかったので、中学生ではその作文を書いたことも忘れていたし、高校も普通科に進学しました。
ちゃんと保育の仕事と向き合ったのは、大学進学を決めるタイミング。もともと本を読むのが好きだったので、図書館司書か保育職かなと二択まで絞って、最終的にご縁があった保育科の短大に決めました。
短大の実習では子どもたちが「光る泥だんご」の作り方を教えてくれたり、一緒に川に遊びに行ったり、大変ながらも楽しかった記憶を鮮明に覚えていますね。
強がってすまし顔を決め込んだ新人時代
短大卒業から10年、ひとつの園で働かせてもらいましたが、新卒1、 2年目の頃を思い出すと懐かしくもあり、恥ずかしい気持ちになります。
よく覚えているのが、ある男の子が、私のすぐ目の前に芋虫を持ってきたことがあったんです。内心めちゃくちゃビックリしたけれど、ここで驚いたら今後も虫を持ってくるに違いない……と、強がってすまし顔を決め込みました(笑)。
当時は「私は先生!子どもたちの前ではしっかりしないと!」と“強さ”を見せる必要があると思っていたのかもしれません。
今、昔の自分に会えるんだったら「もっとリラックスしていいよ」と言ってあげるかな。それくらい、いつも気を張って保育していたように思います。
色んなプレッシャーに追われながら、時には辞めたいと思うことも正直ありましたけれど10年頑張れたのは、同期や同僚、家族といった周りの支えが大きかったなと今改めて感謝しています。
保育職と販売職の違いは、感情の振れ幅
保育士を10年したとき、好奇心旺盛な性格もあって「このまま他のことに挑戦せずにいたら後悔してしまう!」と、思い切って他業種に転職することにしました。
元々大好きだったアジアン雑貨店で働いてみたのですが、お気に入りのアイテムに囲まれてお仕事すること、色んなお客様を接客することは新鮮で楽しく良い経験になりました。
保育と販売の仕事を両方経験して分かったことがあります。
それは、感情の振り幅の違い。例えば、販売では、私がおすすめしたものを買っていただいたり、お客さまから「ありがとう」と言ってもらえると嬉しいし、充実感もありました。その一方、良くも悪くも悩んだり落ち込んだりすることはそれほど大きくなかったんです。
それに比べて保育の仕事は、しんどい時は本当にしんどい(苦笑)。
子どもたちとの関わり方を模索するがゆえに悩み、落ち込むときにはとことん落ち込むこともあります。
行事を成功させるための準備は大変だし、書類もあるし、クラス運営は思った通りにいかないことの方が多い。体力的にもきついなって思うことも正直あります。
でも、どんなにしんどくても何気ない子どもの仕草にほっこりさせられるし、行事が成功した時は涙が出るほど感動するし、トイトレが成功したときは先生同士で“やったー!”ってみんな笑顔になるし。
苦労が実ったときの充実感や達成感も保育士だからこそ味わえるもの。
保育は嬉しいときと大変なときのギャップの振れ幅がとんでもなく大きいから、振り返ったときにどんなことも思い出になっているんです。
もちろん販売員として働いていたときも楽しかったけれど、仕事帰りに「今日は楽しかったな~」って思えるのは保育士に復帰をしてからの方が増えました。
これまで販売を含め色んな職種を経験してきましたが今保育士として戻ってきたのは、別の環境を見たからこそ再確認できた保育の魅力にあるのだと思います。
グッドタイミングで保育復帰へ
派遣保育士として再び保育現場に戻ってこようと思ったタイミングは、私の子どもが中学生に進学したとき。
当時販売の仕事をしていましたが、お客様のお子様が泣いていたら、何で泣いているのかなと子どもの心理を探ってみたくなったり、子どもたちと遊びたいなと思ったり、
ふとしたときに保育への関心が湧き出てきたんです。
そんな思いと子育てが少し落ち着いたタイミングでもあったので、また保育に戻ろうかなと考えていた時に、以前より登録していたベルサンテのaiharaさんから「やすよ先生、お元気にされていますか?」と連絡をいただいたんです。
本当にビックリするほどグッドタイミング!
そこで、今の自分の考えや将来のこととか、色んな話を聞いてもらいました。
その後、何度もやり取りさせてもらった結果、自分の理想を実現できる働き方と環境を見つけてもらえたので派遣保育士として現場復帰することにしました。
直接雇用ではなく派遣を選んだ理由は?
保育経験はあるものの、ブランクがあったし、今の保育園事情については分からないことが多かったんです。
直接雇用で転職活動を進めることをイメージしたときに、すっごく不安で。
例えば、園に面接に行ってしっかり答えられるかな。園見学をした際に雰囲気がイメージと違ったらお断りできるかな。希望の働き方をしっかり園に伝えられるかな。
こんな具合で自分ひとりで進めていくのにハードルの高さを感じていました。
一方で派遣は、aiharaさんが、私の無理難題ともいえる(笑)条件を否定せずに受け止めてくれて、その上で色んな提案をしてくれました。
保育職に戻るからには、失敗したくなかったし、家庭との両立を一番に考えていたので譲れないポイントも結構あったんです。
親身になってサポートしてくださったaiharaさんのおかげで、妥協のない転職活動をすることができて、今理想的な環境で働けているのは本当に有難いです。
きっとあの時、aiharaさんからお電話が無かったら、保育復帰できないままズルズルと悩んでいたかもしれないと思うほど私にとってターニングポイントでしたね。
今、余裕を持って保育できている
保育復帰をして1年半が経ちましたが、復帰前に比べると余裕をもって保育できているなと感じています。
子育てや他業種での経験など、色んな人と出会って年を重ねてきたからか、子どもたちを俯瞰的に捉えられるようになりました。
私、自分の子どものトイレトレーニングが上手くいかなかった経験があるんです。
最終的にはできるようになったんですけど、一度嫌いにさせてしまって「トイレ行きたくない!」って言われてしまったのがずっと残っていて。
なので、今ちょうどトイレトレーニング中の担当園児たちには、「失敗しても全然大丈夫!」という余裕をもった気持ちで保育できています。
「やっぱり保育っていい」と思う瞬間は?
子どもが膝の上に座ってくれたり、「やすよ先生~!」って駆け寄ってくれたり、自分の声かけによって苦手なものが食べられるようになる子がいたり。
そういった日々の小さな幸せが、保育の魅力だと感じています。
一方で、保育に正解はないので、子どもの育て方、関わり方には毎日試行錯誤。悩むことも多い分、できた時の嬉しさは何物にも代えがたいです。
もうひとつ、今回保育復帰をして改めて保育士っていいなと感じたことがあります。
それは「ブランクがあっても自分を求めてもらえる環境があるということ。」
すごく有難いことですよね。生きていること自体が経験で、それらが子どもを育てる時に役立つことを実感しました。
流れに身を任せてとった資格が今こうして活用できているのは、とって良かったなと思います。
次年度からは、派遣から直接雇用にキャリアアップする予定です。またひとつ新しい経験をして、子どもたちや保護者さんに還元できたらいいなと思います。
大切にしている言葉
「受け止める」
「子どもたちの気持ちを受け止めよう!」と常日頃、自分に言い聞かせています。
若いときは、自分の保育観や目指すべき成長の姿になるように、自分にも子どもたちにも鼓舞していたように感じます。
今は、子どもの気持ちを受け止めることで、子どもが心を開いてくれることもあるし、上手く行かなかった時も原因をひも解くことができる。
もちろん、子どもの自主性を大切にしながらもあかんときはあかん。注意するときは注意する。保育のなかではメリハリも重要です。
そのバランスを大切にしながらも、根底にはいつも気持ちを受け止めて子どもたちを育てていきたいですね。
【編集後記 fromやすよ先生担当の保育コンシェルジュより】
やすよ先生にとってのターニングポイントに関われたことがすごく光栄です。あの時電話をかけた自分を褒めてあげたいと思うほど(笑)、やすよ先生と出会えたご縁を私も嬉しく思っています。
働くなかでは、良いこともそうでないことも乗り越えてこられましたね!電話でお話を聞いたり、訪問して保育する姿を見る度、やすよ先生の責任感の強さを感じました。
ここからまた新たなステップアップですね!派遣から直接雇用になり私個人としては、寂しい気持ちもありますが、やすよ先生にとって有意義な選択です。
新たなステップに進めることができるのは、やすよ先生の働く様子や努力が周囲より認められたからこそです。
困ったときはいつでも連絡ください!これからも子どもたちの為にやすよ先生らしくいられることを願い応援しています!またお会いできることを楽しみにしています。その時はまたお仕事の話と、推しの話をしましょうね!
from 保育コンシェルジュaihara
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インタビュー・構成 ・文 : 野間直樹
文 : 堀池恵美
写真 : 黒田彩加
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